SUPER AGURI F1チーム、スペインGPで3戦ぶりの完走の喜びに沸く

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2006年5月15日(月) 4時58分 ISM
 SUPER AGURI F1チームは、現地時間(以下、現地時間)14日、スペイン・バルセロナ郊外のサーキット・ド・カタロニア(1周4.627km)で行なわれたスペインGP決勝レースに臨んだ。佐藤琢磨が、井出有治とともに初のダブル完走を飾ったオーストラリアGP以来3戦ぶりに完走を果たした。

 佐藤琢磨とフランク・モンタニーの新体制で迎えた2戦目のスペインGPは、初日からライバルチームのミッドランドとのタイムが拮抗。前日の公式予選前のフリー走行3で、両チームによるベストタイムの応酬合戦が展開されたが、公式予選ではSUPER AGURIがミッドランド2台の間に割って入ることはできず、佐藤が20番手、F.モンタニーが21番手タイムを記録。一夜明けた決勝日、BMWザウバーのジャック・ビルヌーブがエンジン交換によるペナルティでグリッド降格となったため、佐藤が19番グリッド、F.モンタニーが20番グリッドに着いた。

 佐藤琢磨はオープニングラップの1コーナーで17番手まで順位を上げたが、1周を終えるまでにポジションを落とし、20番手で通過。一方、F.モンタニーは1コーナーでは佐藤とティアゴ・モンテイロ(ミッドランド)に続く19番手だったが、この2名を交わし、17番手に浮上して戻ってくる。F.モンタニーはその後も佐藤琢磨やミッドランド2台を抑え続ける走りを見せた。ところが10周目、佐藤琢磨がスピンを喫し、コース復帰を果たしてピットインに向かうと、順位を落としたF.モンタニーも続いてピットイン。F.モンタニーはそのままレースを終えた。2台揃っての完走はお預けとなったが、佐藤琢磨が最後尾ながら周回を重ね、トップから4周遅れの17位完走を果たした。

 ヨーロッパラウンド以降、ダブルリタイアやチーム編成の変更などと続いた悪い流れを断ち切るように完走した佐藤琢磨は、決勝後にチームのプレスリリースを通じ、「再びレースをフィニッシュすることできて嬉しい。ヨーロッパに戻って初めてだったから、それはなおさらのことだ。スタートは難しかった。モンテイロとサイド・バイ・サイドになって、彼に押し出される形でダートにはみ出してしまった。それで、ずいぶん勢いが落ちてしまったが、1コーナーの入り口でブレーキのタイミングを遅らせることでポジションを取り戻し、数台のクルマを抜いた。しかし、ターン3ではタイヤが埃まみれでコンディションが悪く、ターン4に入るところでポジションを下げてしまった。その後はオーバステアに苦しみ、再びポジションを失ったときはただ前のクルマを追っている状態だった。1回目のピットストップで調整した後はクルマの感触もずっと良くなり、フィニッシュまで好調な走りを続けることができた」とコメント。

 F1デビュー2戦目で好走を見せたF.モンタニーは、「10周でストップしてしまって、レースがフィニッシュできなかったのはもちろん残念だ。だが、スタートは良かった。琢磨とミッドランドの2台をオーバーテイクできたのだから、少しは良くなっているということだ。その後1、2周はバトルがあって、少しスペースもできたし、ラップタイムもまあまあだった。3日目でようやくいいセットアップが見つけることができたことには満足している。ニュータイヤとギアボックスに関しては、細かいところを煮詰めていく必要があると思うが、それができればもっと良くなっていくと思う。今週末も勉強になった。それに、僕にとってはほんの数周でも自分のチームメイトの前を走れたことが嬉しい」とレースを振り返った。

 チーム代表の鈴木亜久里氏は、「チームにとっては忙しいレースだった。琢磨が頑張ってくれて、チェッカーフラッグを受けることができたのは本当に嬉しい。フランクはとてもいいスタートを切り、ドライブシャフトのトラブルでリタイアするまでは好調な走りを見せていた。彼にもできるだけ早く、もっといいクルマを与えたい。きょうは2台揃ってのフィニッシュを目指していたので少し残念だったが、今回のレースから学ぶことも多かった。今後のレースのためにクルマを改善していく自信はある。とにかく、きょうはレースをフィニッシュすることができたのが嬉しい。次のモナコが楽しみだ」と喜びを語ると、今月末の25日に開幕する次戦モナコGP(5月28日決勝)に気持ちを向けた。

[ 5月15日 5時24分 更新 ]

カテゴリー: F1 パーマリンク

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